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第7話 異国から来たフリーター

桃の木の下で義兄弟の契りを結んだ(?)4名は、この先に必要となるであろう商会設立資金の確保について相談でしていた。しかし、コロッケを除くと薄給の軍人ばかりで頼りにならない。まずは、商会設立に必要な信用(=名声)を獲得するために、いろいろなギルドからの依頼をまめにこなしていた。

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しかし、徐々にマンネリとなり、当初の志を忘れてギルドの談話コーナーで与太話をすることが多くなった彼ら。そんな折、ジャンが友人を紹介したい言い出した。なんでも異国から来た男だという。すっかり生活に退屈していた彼らは一もなくその話に飛びつき、めいめいの船でジャンの友人の待つ街に向かうのだった。

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その男は街の外れにある防波堤で釣り糸を垂れて待っていた。小柄だが目つきに厳しいその男、「松下金造る」と名乗る。アジアの外れ日本から商売の修行にやって来たのだそうだが、昼間から釣り糸を垂れている様子はどう見ても定職についているようではない。恐らく日本に仕事がないため、ヨーロッパで一旗揚げるのだと親に大見得を切って国を飛び出し、都会の誘惑に負けて遊び惚けているのだろう。本人ははっきりしたことを話さないが、時々飲食店でアルバイトをして「調理スキル」を磨いているようだ。サミュエルトン商会の様なところで立派に働いていると信じているであろう親御さんには伝えられない事実である。

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ちょっと落ち着かない様子があるものの、時々料理をご馳走してくれるなかなか気のよい奴である。ヒゲがないのは残念だが、異国から来たという素性の面白さと、何よりおいしい手料理は魅力的であり、「背に腹はかえられん!」の格言に従い、仲間に迎え入れることとなったのだった。

なお、後日談だが、金造るはその後、マルセイユにレストランを開き、安くてボリュームのある揚げ物で一稼ぎする。その材料はくず肉に(当時悪魔の食べ物と云われた)ジャガイモである。彼はジャガイモをふかした後で、潰すことで原型を無くし、カブだと言い張って売ったのだ。ほとんど原価がゼロだったため、安価で販売することができ、大衆に広く支持された。それが後の「コロッケ」である。このコロッケという名が彼の友人のニックネームから取られていることはあまり知られていない。金造るはなぜその名を付けたか聞かれた時、「どっちも悪魔に魂を売ってるから」と恐ろしく毒のある答えをしたそうだ。汝も邪悪なり!>金造る

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