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第10話 師匠との出会い

仕事はとりあえず順調であったが、徐々に競争相手が増えてきて購入する下記の
価格が高止まりするようになってきた。仕入れが高いとどうしても利益が減って
しまう。このような状況をいつまでも続けていてはいずれジリ貧になってしまう
だろう。そこでコロッケは川上分野への参入を考えるようになった。

知っての通りコロッケは銃や弾薬を購入しては販売する仕事をしている。川上と
はつまり銃や弾薬を製造する鋳造業ということになる。幸いコロッケには仕事の
関係から鋳造の基礎を学ぶ機会があった。とりあえず、(なぜか)鋳造の基礎で
ある舵作りから始めた。

いつの時代も変わらないが、職人はとにかく手に仕事を覚えさせることが必要だ。
来る日も来る日も同じ商品を造る日々。店頭価格の半額で卸すため、赤字
スレスレで収入は得られない。
これまでの蓄財を食いつぶしつつ、懸命の修行を
続ける。

まとまった数量の材料を手に入れるため、交易所に周辺にいる人々からの買取を
すると、更に金がかさむ。コロッケと同じような駆け出しの職人が他にもいると
購入価格が釣り上ることもしばしば。先輩職人達が、材料相場を乱していると聞
こえるような陰口を叩いているのを聞くと、以前の気楽な運びや家業に戻ろうか
という気持ちが高まるのだった。

そんなある日、ソレイユがひとりの男性を紹介してくれた。立派なヒゲを蓄えた
その人物は名うての鋳造職人であり、みんなから旦那と慕われていた。彼は初対
面のコロッケに鋳造修行の極意を惜しげもなく教えてくれた。その話はコロッケ
にとって知らないことばかりで、今までの修行が如何に無駄が多いものだったか
を悟ったのだった。

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師匠から講義を受けるコロッケ。しかし、立派なヒゲだ~。

翌日からのコロッケの成長を目覚しいものがあった。旦那を師匠と崇め、彼から
伝授された修行法に黙々と励む。修行に必要な教科書は、例え船1隻分の値段でも
躊躇無く購入した。ハンブルグの港にこもり、しばらく他の港に行かない日々も
あった。ただただ、最高の大砲を造れる職人になることを目標に遊びの誘いも断
り日々鍛錬に努めた。そして、ついに彼は一人前の鋳造職人となる。

今ではどのような大砲でも事も無げに造れる職人となったコロッケだが、もしあ
の時に師匠との出会いがなければ。人との出会いの大切さを大砲を造りながら改
めて噛み締める彼であった。(でもこの大砲で今日も命を落とす人がいる・・・
かなw)

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第9話 コロッケ、校長と会う

たびたび、マルセイユを訪れているコロッケであるが、一ヶ所入れない場所があっ
た、それが宮殿である。そこにはヒゲ部設立の暁、顧問をお願いしようとしてい
るギーズ公爵(通称・校長)がいる。

早めに挨拶をしておく方が良かろうと、たびたび訪問しているのだが、身なりが
悪い、礼儀がなっていないと追い返される。ところが、ある日仕事をもらいに商
人ギルドに行ってみると、校長からの依頼があるという。相手側からの申し出な
ら、今度は会えるかもしれないと早速その仕事を請け負い、勇んで宮殿に向かう
のであった。

ところが相変わらず、入れてもらえない(涙)。呼んでおいてそれはないだろう!
と憤りつつも、ちょっと意地になったコロッケ、近くの道具屋で大枚を差し出し、
「金ならあるんや、かっこのええ服をくれんか」と上京してきた田舎の
親父のような注文でコーディネイトを無視した一張羅を揃える。
「こ、この服を着るのか・・・」と躊躇するほどの恥ずかしい服装だが、これが
貴族の好みでは仕方ない。白いタイツに提灯ブルマー、羽根突きの帽子を被り、
万全の準備で宮殿に向かう。

衛兵のそばで念のために香水も吹きかけ、再度謁見を申し込む。「ふむ、入って
よい」 お、ついに入場が許された。下級ながら貴族の自分に対し不遜な態度を
取る衛兵に腹は立つが、香水の香りが消えて衛兵の気が変わると困るのでそそく
さと宮殿の中へ入る。

校長室、いや宮殿は想像以上の立派さであった。いつもたむろしている薄暗い酒
場とは異なり、まさに絢爛豪華。荘厳な広間の奥に校長は立っていた。恐る恐る
近付くとちょっと目つきの悪い校長に声を掛ける。付け入る隙のない校長は間髪
入れず仕事の内容を語ると、黙ったままこちらを睨んでいる。 「さっさと、仕事
をしろ」
と無言で言っているようだ。

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校長とメンチ切りするコロッケ。一瞬、宮殿内が凍り付くW

とりあえず今日はここまでにして、顧問就任の要請は次回へ持ち越し。折角校長
室に入れたので、ソレイユも呼んで記念撮影(やっぱりおのぼりさんだw)。な
お、仕事の内容はロンドンの宮殿まで書簡を届けるというもの。ついに国家の公
使を託されるまでになったと提灯ブルマーの紐をきゅっと締め直すコロッケであっ
た。

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校長をバックに記念撮影。恥ずかし~。

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