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第13話 ヒゲ部商会設立!

ついにその日がやって来た。商会の開設受付は一体誰の都合か知らないが、16時30分という中途半端な時間。ヒゲ部を代表して設立申請を行うコロッケは早々にその日の仕事を切り上げて、申請予定のジェノヴァに向かったのだった。

「ジェノヴァ」なのである。マルセイユへの商会設立がいつになるか予想もつかないため、当面マルセイユに最も近いジェノヴァに商会を設立することとなった。喜びも半減、いや十分の一くらいまで減ってしまったが、商会を設立せず、いつ訪れるかも判らないフランスへの移民実現を待つことは、精神的にもきついということで、しぶしぶ出した結論だった。

せめて設立一番乗りをして、ヒゲ部の存在を人々に知ってもらおうと、コロッケは早々に商会管理局の前に陣取った。見たところ、同様に設立の一番乗りを狙っている様なものはいない。これなら、一番乗りは果たせそうだと、時間の過ぎるのを急いて待つのだった。

そして、時間が来た。結局誰も他にやって来るものはなく、一人でそそくさと申請を済ませる。勝手に盛り上がっていたけれど、ジェノヴァなんて誰も注目していない様で、また一段と気落ちするコロッケ。そこに一人の男がやって来て、どうやら設立申請を行っている。

「げ!もう設立している奴がいるのか!」 ・・・ふふふ、勝った! どん底スレスレのテンションが、何とか男の一言で持ち直したコロッケは、他にすることもないのでセビリアに帰ることにした。洋上には舟影もまばら、明るい南欧の日差しだけが海面を明るく照らしていた。

セビリアに向かって船を出したコロッケの目に、右前方にマルセイユの街が見えてきた。「そうだな、お上はしばしば庶民を欺いてきたし、念のためにマルセイユの商会管理局も確認しておくか・・・」 その時の微妙なテンションが、なぜかコロッケにそんな事を考えさせた。

マルセイユの広場は、ジェノヴァにもまして人影もまばら。街には陽気な音楽が流れるなか、少ない客を相手に賢明に頑張っている道化の姿が虚しい。広場の端をトボトボと歩いて、商会管理局に向かう。案の上、誰もいない。退屈そうにしている事務員に冷たくあしらわれることを承知で話しかけてみる。ものぐさそうに差し出されたマルセイユの商会名簿は、当然のように真っ白・・・じゃない!!! なぜだ!ひとつ商会が設立されているじゃないか! 誰が設立のしたのだ! この世にフランスを母港にしている奴がいるのか! やられた! また、お上に騙された~!

それからのコロッケの動きは早かった。酒場で今まさに飲み始めようとしている船員達からジョッキを奪い、すぐに出航の準備を行うと、ジェノバに急行。先ほど設立したばかりの商会の解散を申請。訝しがる事務員の「短時間でも申請費用はお返しできませんが、よろしいですか?」という説明を無視して、酒場に直行。今まさに飲み始めようとしている船員達からジョッキを奪い、すぐに出航の準備を行うと、マルセイユにとって返す。・・・酷いぞ船長!

そうして、時刻が17時になろうとした時、遙か遠い先だろうと思っていたマルセイユでの商会設立が叶ったのである。コロッケが長年(2週間w)の夢を果たし、目頭を熱くしている頃にチラホラと商会設立に訪れる者が現れる。設立方法をアドバイスしたり、共に設立の喜びを分かち合ったりと、至福の時を満喫するコロッケだった。

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商会管理局前での設立記念撮影

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